銃獵要書

13-1書 名:銃猟要書
著 者:青木 輔清

発行者:内田老鶴圃

発行年:明治23年

著者紹介:青木氏(?~明治42年)は武蔵国(埼玉県行田市)旧忍藩士で、忍藩洋学校および埼玉県洋学校で教師を務めました。

その後、東京、浜町(中央区)に居を構え、60冊余の啓蒙的な書を著しました。また、銃砲関係で国内最初の発明と思われる「元込室内銃」の特許も明治22年に取得した稀有な英語学者といえましょう。

内 容:本文冒頭に「西洋近選の銃獵書に就き初心の心得となるべき條件を抄出し加えふるに我国銃獵に係る諸則其他初て銃獵をなさんとする者の記臆すべき條件若干を摘載す」とあります。本書以前(明治10年代)に出版された銃猟に関する書物の多くは欧米人による著作を翻訳したものにすぎませんでしたが、銃獵要書では村田銃の紹介、猟銃及び火薬類の許可取得方法についても解説されています。
本書の大半は実包の手詰めに関係する内容ですが、前装銃にも話が及ぶことから、当時の銃猟には少なからずの前装銃が使われていたことが分かります。また、巻末にある「各府懸免許商姓名」は明治中期における銃砲火薬商の名簿であり、これは実に貴重な史料といえましょう。

○参考文献

日本の英語辞書と編纂者(222頁)

早川 勇 著、春風社 刊、平成18年(2008)

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